子供に音楽を習わせることは情操教育にいいと、以前から言われてきました。
しかし近年になって、音楽教育は情操面だけでなく言語能力や運動神経にまで影響を及ぼすことがわかってきました。
幼児期に音楽に触れさせる具体的なメリットとして、どんなものがあるのでしょうか?
音楽を習い始めると、楽譜と同時に鳴っている音にも注意を向けるようになります。
自分の鳴らす音はもちろん、お手本の音、集団で習う教室なお友達の音、いろんな音が聞こえてきます。
音楽で鳴っている音は、とても複雑。
メロディやリズム、和音から成立しているので、音楽を習うと耳がよくなるのはご存じの通りです。
また音楽教室に通って様々な音を聞いているうちに、微妙な音の差まで聞き取れるようになってきます。
小さいうちから音楽を習うと絶対音感が身に付く、というのはこのため。
耳がよくなるので、外国語のわずかな発音の違いにも敏感に気づくことができるのです。
3年以上ピアノ教育を受けている子は受けていない子に比べて、知っている語彙が多いという調査報告も出ているほどです。
わずかな音の違いがわかる能力は、言語能力とも関連があることがわかっています。
「子供に音楽を習わせても目を見張るような上達はしないから、音楽を習わせる意味があるのだろうか?」
「自分自身、音楽を習っていたけれど意味があったのだろうか?」そう考える人は多いでしょう。
しかし、幼い頃に音楽に触れていた人は運動能力も高くなることがカナダの大学の研究で明らかに なりました。
早い時期に音楽を始めた人ほど、短い練習時間で初めての運動を習得することができたのです。
これは、楽器の演奏には「楽譜を見る」「音を聞く」「手を動かす」という複雑な動作を同時に行う必要があるから。
幼い頃から楽器を始めると、動作と知覚の連携をスムーズに行う力が身につくのです。
実際に、小さいうちから音楽を習っていた人の脳をスキャンしてみると、右脳と左脳をつなぐ部分が大きく、脳内の連絡がスムーズに行えることが判明しました。
音楽教育は、言語能力以外の能力にも影響を与えていることが確認されています。
とくにHQ(ヒューマンクオリティ)、人間の総合的な生きる能力を高めることに音楽教育は有効です。
幼児期に音楽教育を受けた子供たちに知能テストをしたところ、その影響は大学生になっても続くほど長期的なものだということがわかっています。
音楽教育の中でも、特にピアノがHQを伸ばすのに効果的です。
ピアノは目で楽譜を見ながら、演奏部分よりも先の部分を記憶しつつ細かく両手を動かすという、複雑な動きが必要になります。
いくつものことを同時に処理する行為が、人間の能力を全体的に高めるのに効果的なのです。
音楽教育は7歳までに始めるとより効果的と言われています。
演奏家になれるような、目を見張る才能を発揮しなくても幼い頃に受けた音楽教育は、その人の生きる力全体を引き上げて、生涯の財産となってくれるのです。
ぜひ幼児期からお子さんに音楽と触れ合う機会を作ってあげてくださいね。