思いやりのある子どもに育って欲しいと願う親御さんは多いでしょう。
しかし、思いやりのある優しい子に育てるために、具体的に行動を起こしている親御さんは多くはないようです。
それは、「思いやりのある優しい子」という概念が抽象的すぎるうえ、どのように育てたら思いやりのある優しい子に育つのか、実はよく知られていないからといえます。
そこで、思いやりのある優しい子に育てるために、親が何に気を付ければいいのかについて紹介いたします。
思いやりのある優しい子になってね、と子どもに常日頃伝えてもピンとこないのと同じように、親が漠然としたイメージを持っているだけでは、その願いは子どもに届きません。
まずは、親がなって欲しい「思いやりのある優しい子」のイメージを具体化することが大切です。
例えば、
①困っている友達を助けてあげられる子
②お年寄りや年下の子に親切にできる子
③植物や動物の世話ができる子
など、「こういうことができる子になってくれたらいいな」と感じることをイメージします。
具体的に優しい子の行動をイメージができたら、その行動を普段から意識づけて育てるようしましょう。
では、親が思い描く思いやりのある優しい子の行動を、実際に自分の子どもができるようにするためには、どうしたら良いのでしょうか?
最も効果的なのが、親が自ら子どもの前で手本を見せることです。
親が普段から何気なくおこなっている行動を、子どもは意外としっかり見ているものです。
言葉であれこれ伝えるよりも、行動で示すのが最も近道と言えるでしょう。
よその子ども、絵本の登場人物などで、具体的にイメージした思いやりのある優しい子がとる行動をしている人を褒めましょう。
「〇〇ちゃんは、わからなくて困っている子にやり方を教えてあげて、優しいね。」など、どの行動が優しかったのか、できるだけわかりやすく説明します。
普段よりも褒めることで、子どもはその行動が歓迎されることを実感し、自ら意識的にその行動をおこなうようになるでしょう。
そうして、優しい子の行動が子どものなかで定着していき、自然と優しい子の行動がとれるようになっていきます。
思いやりのある優しい子に育てるためには、人を思いやる心を育てることも大切です。
人を思いやるためには、人の心を想像する力が必要です。
普段から、「〇〇ちゃん、どんな気持ちだろうね?」「〇〇ちゃん、悲しそうだったね」など、人の気持ちについて考える機会を持たせるようにすると、人の気持ちを想像する力が芽生えてきます。
また、絵本の読み聞かせなどを通して、登場人物の気持ちについてあれこれ想像してみるのも良いでしょう。
人は全て同じ能力を持っているわけではありません。
運動が苦手な子、勉強が苦手な子、障害を持っている子、さまざまな環境のなかで、それぞれ長所や短所を持って生きています。
そういった他人の個性を理解し尊重することができる力も、思いやりのある優しい子に育つには必要だといえます。
幼児教室に通うなどして、幼い時期からできるだけ多くの人と関わることで、他人の個性を理解し協調性を育てていくのもよいでしょう。