子どもに質問をしても、「わかんない」とか「どっちでもいい」などの返答ばかりで、自分が意見を言えないと、親御さんは心配されるのではないでしょうか。特に、注意を受ける場面での質問に対して何も答えられないと、相手に理解されないばかりか誤解されて悪者扱いされてしまう恐れもあります。
自分の意見や気持ちを相手に伝える力は、入学後や社会人になってからの生活や仕事にも影響するので、子どものうちからしっかりと言えるようにしておきたいものです。
そこで、自分の気持ちや意見が言えないのはどのような理由があるのかについて紹介するとともに、親御さんの関わり方ポイントについてもお伝え致します。
[タイプ別]子どもが意見を言えない理由と関わり方ポイント
自分の気持ちや意見が言えない理由は、大きく分けて3つのタイプがあります。
発言することを躊躇している
過去の苦い経験がトラウマになっていたり、自己肯定感が低い子どもの場合、発言に対して「叱られる」「笑われる」「がっかりされる」などと感じ、発言を躊躇してしまいます。
普段から親御さんが、子どもに対して命令口調が多かったり、子どもへの要求や理想が高かったりすると、子どもは「これを言ったらどうなるかな?」と周りの顔色を伺うことを優先してしまいます。「こう言いなさい」と言われたことは上手に言えても、自分の意見などを自由に求められる場合などでは、怖気づいてしまうのです。
このタイプは、発言する語彙力はあるので、自信を付けさせてあげることが大切。普段から、何を発言しても(たとえ間違っていても)大丈夫だという安心感を植え付けることを重視しましょう。
また、「どうして〇〇したの?」という質問は、「叱られる」という気持ちが強くなる傾向があるので、「何がしたかったの?」などと質問の仕方を変えることで、答えやすくなる場合もあります。
言葉や表現の仕方がわからない
今の自分の気持ちをどう言い表したらよいのか言葉がわからない場合は、「悲しかったんだね」「くやしかったんだね」など、気持ちに言葉を当てはめて代弁してあげることで、気持ちを表現できるようになっていきます。
また、言葉に詰まったときは選択肢を与えることで、どっちかというとこっちかな、と子どもが気持ちを整理しやすくなります。「楽しかった」という言葉だけでも、「ミニカーで遊ぶ時ぐらい楽しかった?それとも、遊園地へ行ったときぐらい楽しかった?」など、比喩対象を使って程度を考えさせるようにするのも良いでしょう。
答えるために必要となる情報を覚えていない/知らない
知らないと答えられないこともあります。また、子どもは幼い頃に体験したことは、意外と忘れてしまっていることが多いものです。
そのような場合は、「〇〇は知っている?」「〇〇を覚えている?」などと、情報や記憶を思い出させることで、答えられるかもしれません。
自分の意見を言えない子どもは、自分の気持ちを抑えこんで周りに合わせてしまったり、逆に周りと衝突してしまったりすることが多いようです。小さいうちに親御さんとの対話を通して、しっかり意見を言えるようにしたいものですね。
また、保育者が見守る幼児教室などに通うことでも、子ども同士の対話や交流を無理なく経験させてあげることができます。特に、自分の意見を発言する機会が比較的に多いインターナショナルスクールや英語幼児教室などの環境に、入学前のうちから慣れておくのもよいかもしれませんね。