慣らし保育の成功の鍵は? 親が知っておきたい注意点
子どもが保育園に入園する際、多くの園では「慣らし保育」期間を設けて、段階的に保育時間を延ばしています。
「慣らし保育」は、子どもが園生活に少しずつ無理なく慣れるためだけでなく、親にとっても、安心して子どもを園に預けるために大切な期間。慣らし保育をトラブルなく成功させて、できるだけスムーズに登園させられるようにしたいものです。
そこで今回は、慣らし保育についての考え方や、親が知っておきたい注意点について紹介いたします。
慣らし保育は、未知なる世界への第一歩
慣らし保育の期間は、園や自治体によって異なりますが、数日~2週間程度が一般的です。保護者が希望すれば、慣らし保育期間なしで預かり開始が可能なところもあるものの、子どもの不安を軽減させるためにも慣らし保育は大切な期間だと考えられています。
内閣府のデータよると、園で起きた乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生時期は、預けはじめの1ヵ月以内に集中しており、幼い子どもにとっては保護者から離れて1人で保育園に入ることが、想像以上に大きなストレスになっていることがわかります。
親元から離れる第一歩と言える、慣らし保育期間。できるだけ子どもが大きなストレスを受けることなく園に馴染めるよう、親としてせいいっぱい子どもの心を支えてあげたいものですね。
慣らし保育は親にとっても試練
慣らし保育が始まり、子どもを保育士に預けて園を出る際に、子どもに泣いてしがみつかれると、どんな親でも辛くなるものです。園に預けることをためらったり、罪悪感を抱く親御さんもいることでしょう。
同時に、この園に預けて大丈夫なのだろうか? 迎えに来るまでずっとこのまま一人で泣いているのかもしれない、と不安を感じることもあるでしょう。慣らし保育は、そんな親御さんの不安を解消させるための期間でもあります。慣らし保育中にできるだけ保育士との会話を通じて信頼関係を築き、通常保育が始まるまでに安心して子どもを預けられるようにしたいものです。
慣らし保育を成功させるための注意点
1.登園時は前向きな声がけを
「今日は何をして遊べるかな」「おやつは何かな?」など、園で過ごす時間が楽しみになるような声掛けをしましょう。
2.親の心配を感じさせない
親の不安は子どもに伝わるものです。「大丈夫かな」「心配だな」という表情を子どもには見せないようにしましょう。
3.登園前に叱らない
登園時の支度に時間がかかったり登園を嫌がる子どもに叱ってしまうと、叱られた状態で親御さんと別れた子どもは、園で不安を抱えて過ごすことになります。
4.親が保育者と親しむ姿を見せる
親御さんが保育者と親しくすることで、子どもも保育者に心を開きやすくなります。
5.お迎え時は愛情たっぷり
お迎え時は、思いっきり抱きしめて愛情を伝えて下さい。園に預けられているのはママが自分のことを嫌いになったわけではないということを実感させることで、登園に前向きになっていくでしょう。
6.園での出来事を楽しい思い出として残す
降園時に保育者から聞いた話などから「砂遊びができたのね、楽しかったね」「かみしばいを読んでもらったのね、よかったね」などと、園で過ごしたことに楽しいイメージを植え付けていきましょう。
慣らし保育を大切にしている園では、保護者も参加できるアクティビティを用意するなど親子参加の時間を設けるなどの工夫が見られます。慣らし保育に対して丁寧なプログラムを行っている園は、通常の保育においても子どもの気持ちに寄り添う傾向があるようです。
園へ預けることに不安を感じたら、慣らし保育に対する園の取り組み状況をみて、園を選ばれるのもよいかもしれませんね。