【アイスランド編】外国の教育事情と子どもに人気の遊び
ヨーロッパの外れにある小さな島国「アイスランド」は、日本にはあまり馴染みがありませんが、実は子育てしやすい国ランキング第1位として知られています。
アイスランドがなぜ子育てしやすい国なのか、アイスランドの子育ての特色やアイスランドの子どもたちの様子について、今回は紹介したいと思います。
子育てしやすい国 第1位のアイスランドとは
アイスランドは、北海道と四国を合わせたほどの広さに、約35万人の人々が暮らしている、人口密度が低く自然豊かな国。手つかずの美しい自然が多く、活発な火山活動によって豊富に湧き出る温泉、そしてオーロラも観察することができます。
子育てしやすい国ランキングとは、Asher & Lyricというアメリカの企業が2020年にOECD加盟国35ヶ国を対象に行った調査です。6つのカテゴリー(安全性、教育、コスト、幸福度、健康、子どもと過ごす時間)に分けて評価が行われています。
アイスランドで最も高く評価されたのは「子育てに費用がかからない点」で、出産から18歳までの医療費や、大学までの授業料が原則無料となっています。
アイスランドの子育ての特徴
アイスランドでは、職場での男女構成比を同じにする「クウォーター制度」が導入されているなど、世界でも類を見ないほど男女格差がないことで知られています。性別に関わらず出退社時間は定時が基本で、男性の育休取得率も8割を超えています。
いっぽうで、幼稚園や小学校での放課後教室(学童保育)は最長で午後5時までとなっており、それまでに親は仕事を終えて迎えにいきます。そのため、平日でも家族で過ごす時間は十分確保できるのも特徴です。
またアイスランドでは、性別や年齢による行動制限の概念がみられず、お互い1人の人間として尊重し合います。子どもの犠牲になることなく一個人として人生を楽しもうと考える親の姿を見て、子どもも主体性や自尊感情を自然と身に着けることができるのです。
アイスランドの教育事情
アイスランドでは、1~5歳までは「レイクスコーリ」(遊びの学校)で過ごします。そして、初等教育6年、中等教育3年、高等学校5年と義務教育を過ごし、その後3~6年制の大学へと進むことができます。
日本のような受験制度はなく、大学では誰でも自分の好きな学部に入ることができ,途中の変更も可能。教育は各生徒のペースにあわせた指導で、テストで良い点を取ることよりも、自分らしい生き方を見つけることが優先されています。人々の心にゆとりがうまれやすいこのような体制からも、子育てしやすい国だと言えるでしょう。
アイスランドの子どもに人気の遊び
アイスランドでは強い雨や雪が降る事が多いのですが、子どもたちは雨でも雪でも外で遊ぶよう奨励されており、幼稚園や小学校では防水スーツを学校に常備しています。
放課後は、放課後教室に参加する以外では、楽器などの習い事やスポーツをして過ごすなど、親の帰宅時間まで子どもたちが安全に過ごせる環境が整っているようです。
豊富な地熱発電を利用した温水プールやウォータースライダーを備えた公共プールが、地域ごとにあり、年中楽しめるホエールウォッチングもアイスランドでは定番。また、古くから馬と共存してきた歴史のあるアイスランドでは、現在でも馬のショーパフォーマンスが開催されています
アイスランドの子ども達は、自然の中で乗馬をしたり、釣りを楽しんだりと、豊かな自然ならではレジャーを気軽に取り入れることができます。
アイスランドの子育ての特色や子どもたちの様子について紹介いたしました。アイスランドの、自己を含めお互いを尊重し合うといった点は、ぜひ見習いたいところですね。
子どもが小さい頃から、外国を含め優れた思考や感覚に触れることは大切です。まとまった期間を海外で過ごすことは容易ではありませんが、国内にあるインターナショナルスクールなどへ子どもを通わせることでも、外国のさまざまな思考や感覚に触れる機会を与えてあげられることでしょう。