【外国の子どもの習慣】ハロウィンの子どもたちの過ごし方 本場アイルランドでは?
ハロウィンの時期が近づくと、日本の街にもハロウィングッズが並び、10月には仮装イベントが開催されるようになりました。小さな子どもたちにとっては、「トリック・オア・トリート!」と言ってお菓子をもらい、仮装姿で記念写真を撮るといったイメージが強いかもしれません。
ハロウィンの発祥の地アイルランドでは、子どもたちはどのようにハロウィンを過ごすのでしょうか。今回は、ハロウィンの起源と、アイルランドの子どもたちのハロウィンの楽しみ方について紹介いたします。
ハロウィンの起源
ハロウィンは、2千年以上前の古代ケルト人が「サウィン」(夏の終わり)に行っていた宗教的な祭礼が起源となっています。収穫が終わったサウィンの時期、人々は集まって焚火や宴を行っていましたが、この時期は死者たちの魂が蘇えり、幽霊や妖精などの姿を変えて家に戻ってくるという言い伝えがありました。そのため、自分たちも仮装をして人間だということをばれないようにし、食べ物などを用意して死者の魂を迎えていたそうです。
かぼちゃを用いた「ジャック・オー・ランタン」も、ケルト人文化の強いアイルランドの昔話からきており、悪事を繰り返していたジャックが、天国へも地獄へも行けずに彷徨い続けるランタンです。蕪をくり抜いたものが、後にかぼちゃへと変わったようです。
また、収穫した木の実を石でたたいて割ったり、収穫した林檎をつるして口で取ったりする行いも伝統行事として伝えられました。
現在のアイルランドでのハロウィンは?
古代ケルト人が住んでいたアイルランドでは、ハロウィンの時期には今日でも盛大な伝統的行事が続いています。ミースの「スピリッツ・オブ・ミース・ハロウィン・フェスティバル」やロンドンデリーの「デリーハロウィン」では、お化け屋敷の舞踏会や世界最大級のハロウィンカーニバルのパレードなどは、とても豪華なイベントとして観光客にも有名になっています。
アイルランドの子どもたちはハロウィンをどう過ごす?
アイルランドの子どもたちは、ハロウィンになると家族や近所の人たちと、特別な料理を食べてお祝いをしたり、保育園などでハロウィンにちなんだ遊びをしたりします。
ハロウィンの伝統料理
アイルランドでのハロウィン料理といえば「バーンブラック」。ドライフルーツ入りのケーキやパンで、中に指輪や硬貨、ボタンなどを入れ、出てきたもので運勢を占うものです。また、マッシュポテトに茹でキャベツなどを加えた「コルキャノン」という料理も定番です。
ハロウィンの工作・飾り
また、アイルランドではハロウィンが近づくと街のあちこちでさまざまなかぼちゃが売られ、子どもたちはジャック・オー・ランタンを作ります。かぼちゃからスプーンで取り出したタネとわた、そして葉っぱなどを触ったり臭いを嗅いだりと五感を刺激する「センサリープレイ」も楽しみます。
かぼちゃを使ったジャック・オー・ランタンのほかにも、ハロウィンにちなんだ飾りを作りします。紙皿やコットンボール、紐などを使って、おばけや魔女、スパイダー、キャンデーなどを制作したり、絵具で手形を押してお絵描きをしたものをガーランドにして壁に飾ったりして楽しみます。
ハロウィンのパーティー
ハロウィンのパーティーで人気の仮装は、男の子はスパイダーマンやバットマン、スケルトンなどのヒーロ、女の子はプリンセスや魔女です。ハロウィンの定番ソングを流して、ハロウィンのデコレーションをしたカップケーキやクッキー、チョコレートアップル、マシュマロ・ライスクリスピーなどを食べて楽しみます。
世界各国に広まったハロウィン
古代ケルト人の宗教行事が起源のハロウィン。今ではさまざまな国において、その地の文化や特性と合わさりながら発展しているので、比較してみるのも面白いかもしれません。
それらを知ることで、その国の人々の古くからの習わしや考え方を理解するきっかけにもなるかもしれませんね。