手は「第二の脳」とも言われているように、手と脳には深い関係性があります。
特に、幼い子どものうちに指先をしっかりと動かすことは、脳の発育にとって非常に重要だと言われています。
そこで、脳の発達と指先との関係性と、生涯のうちで最も脳が成長する乳幼児期に実施できる「指先トレーニング」について紹介いたします。
脳の発達と指先はどんな関係がある?
指先は、身体のなかでも最も重要な感覚刺激の器官だと言われ、指先を使うだけで脳の血流量は10%程度も上がると言われています。指先をたくさん動かすことで、脳に刺激を与えることができ、脳神経を発達させることができます。
指先の動きは、脳のなかでも大脳に大きく働きかけることができます。大脳は、発語や記憶力、思考力や運動能力などをつかさどるため、指先運動によってこれらの発達を促進させることができると言われています。
手先の器用さは遺伝によるもの
生まれた直後は、遺伝子の影響が大きく先天的な能力に左右される部分が大きいものですが、手先を動かすことで脳は後天的に能力を高めていくことができます。
手先の器用さは脳の働きに大きな関係があり、手先が器用な子は不器用な子に比べて、自ら考えて主体的に行動ができたり、お友達との人間関係もスムーズな傾向がみられると言います。
もし子どもの手先が不器用だと感じても、親の手先が不器用だから仕方ないと諦めず、生活のなかで意識的に手先を使わせるようにすることが大切です。
子どもの脳の発達に効果的な指先トレーニング
脳の発達に効果的な指先トレーニングには、ピアノやそろばんなどの習い事だけでなく、日常生活のなかでもできることはたくさんあります。
おやつの際に、ちいさくカットしたフルーツを手づかみで食べさせたり、シール貼りや手すりを握らせたりなど、親指と他の指を使って「つかむ」「握る」という動作からはじまり、クレヨンでお絵描き、折り紙、紐通しやボタン留め、おはじき、ブロックなど、指先を巧妙に使う動作をさせるようにしましょう。
幼児期には、子どもの手のサイズに合った道具を用意することで、家事のお手伝いが指先トレーニングに繋がっていくでしょう。
子どもの中には、ママにぴったりとくっつき、手を使う動作は片手でやろうとする子がいます。片手では上手くできないため、ママが手伝ってしまうことが習慣化していくと、それが脳の発達の妨げとなり、精神的、身体的未熟に繋がってしまうこともあります。
そのため、助けたい気持ちを抑えて、時間がかかっても自分でやらせてみることが大切です。
幼児教室などでは、このような指先トレーニングを意識した活動を積極的に取り入れています。脳の発達状況や子どもの興味に合わせたさまざまなプログラムで、子どもの脳にたくさん刺激を与えられるでしょう。