子どもの自主性は、何かに興味を持つことで養われるというのを聞かれたことはありますでしょうか。小さい頃に何かに興味を持って熱中した経験のある子どもは、学習意欲も高くなるとも言われています。
いっぽうで、子どもは放っておいたら自分から興味を持つわけではなく、周りのことにあまり興味を持たないタイプのお子さんも意外と多いものです。
そこで今回は、子どもの興味を広げるために親はどのように関わればよいのかについて、詳しく紹介したいと思います。
子どもの興味が自主性を育てる
子どもは何かに興味を持つと、「もっと知りたい」「できるようになりたい」という気持ちから、「どうすればもっとうまくできるのか」などと、前向きな気持ちを持って取り組むようになります。何かに興味を持つことで、決して受け身ではなく能動的に行動を起こすようになり、それによって自然と自主性が育っていきます。
また、興味を持った対象に知的好奇心を持ち、知り得ていく過程でその知的好奇心が満たされていくことで、脳からドーパミンが出て良い刺激を与えます。自ら試行錯誤をすることで、集中力や忍耐力も身についていくなど、子どもの興味は子どもの成長に良い効果がたくさんあるのです。
子どもの興味を広げる関わり方とは?
子どもが興味を持つものは、日常生活のなかにたくさんあるはずですが、それらに子どもが興味を持つためには、なんらかの「きっかけ」が必要です。そしてそのきっかけは、親による「押しつけ」であってはならないといいます。なぜなら、興味を持つためのきっかけは、「すごい」という感動や、「楽しい」という子どもの心を動かす躍動感が必要だからです。
アメリカのディズニーの社内保育所で採用された「レッジョ・エミリア・アプローチ」では、子どもが自発的に興味を持つために、「しかけ」と「観察」が大切だといいます。
たとえば、絵画に興味を持ってほしいなら、子どもの目につく場所に画材を置いておき、子どもの反応を観察します。しかけによる反応は、子どもの年齢や気分や体調によっても左右されるので、さまざまな方法でトライし、反応を見ながら効果的な方法を見つけていくことが大切だといいます。
子どもの興味を深めるためには?
子どものちょっとした興味を、親が深めてあげることも大切です。
たとえば、石や木の実を拾ってきたなら、それらが載っている図鑑のページをさりげなく開いて置いておくことで、より深い興味へと導くことができます。
また、電車の本が好きなら、本物の電車を見せに行ったり、好きなフルーツがどんな場所でどんな風に育つのか、果樹園に果物狩りに連れて行ったり植物図鑑を与えるなどをするとよいでしょう。
子どもの興味を育てていくために、子どもが興味を持ったことに対して詳しくなって欲しいからと、親があれこれと教えることはやめましょう。子どもが自分でいろいろと一生懸命考えているときに話しかけてしまうと、子どもの思考をストップしてしまいます。教えたり手助けをしたりするのは、子どもが助けを求めてからにするようにしましょう。
また、いくら親であっても、子どもが何に興味を持つかのコントールはできません。子どもが興味を持ったことが、親が望んだものでないとしても、決して否定せず、受け入れることも大切です。興味を育て自主性を養うために、やりたいことが見つかったら、とことんやらせてあげるようにしましょう。