子どもの成長や健康な身体づくりにはタンパク質が欠かせませんが、摂取量が減ってきているといいます。これは、魚や肉嫌い、乳製品アレルギーなどさまざまな原因によるものだと考えられていますが、子どもの栄養については野菜嫌いに注目が集まりがちななかで、タンパク質不足は意外と盲点となりがちです。
タンパク質不足は成長期の子どもの身体や脳に大きく影響を与えてしまうので、深刻な問題です。そこで、子どもにとってもタンパク質の役割と、1日あたりの必要量、そして効果的なタンパク質の摂り方について紹介したいと思います。
タンパク質は成長に欠かせない栄養素
たんぱく質は、炭水化物や脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれており、筋肉や血液、臓器などさまざまな組織を作っているほか、神経伝達物質の材料にもなり、思考や記憶力にも影響しています。
また、カルシウムが有効に働く為にもタンパク質が必要となるので、タンパク質は、まさに子どもの成長に欠かせない栄養素。
もし子どもがタンパク質不足の状態になると、身体や脳の発達に影響があるだけでなく、筋力や集中力が低下することから怪我を招きやすくなったり、免疫力の低下から病気にかかりやすくなったりもします。
タンパク質はどの程度必要?
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」によると、1日に摂取したいタンパク質の推奨量は以下の通りです。
1~2歳・・・20g
3~5歳・・・25g
6~7歳・・・30g
8~9歳・・・40g
成人女性の1日の摂取推奨量が50gなので、3~5歳の幼児でちょうど半分の25gとなっています。実際に食事で摂る目安としては、魚なら100g、肉なら125g、牛乳なら200mlを4杯弱になる計算です。
効率よくタンパク質を摂取する方法は?
タンパク質は20種類のアミノ酸や、L-アミノ酸などが鎖状につながっている構造になっており、細かく分解しないと吸収されません。そのため、効率よくタンパク質を摂取するには、必須アミノ酸がバランスよく含まれている「アミノ酸スコアが高い」食品を摂ることです。
アミノ酸スコアが高い食品は、アジ、イワシ、マグロ、カツオ、サンマなどの魚や、豚肉、鶏肉、牛肉などの肉類や牛乳などの動物性たんぱく質です。
上記の1日の推奨量を意識して、食事に肉や魚をメインに入れた食事を摂取するようにしましょう。
成長期では、朝・昼・晩の3食に分けてのタンパク質摂取が望ましいので、朝食の欠食は避けるようにします。
ちょっとタンパク質が少ないかなと感じる時には、おかずに鰹節や焼きのりを足したり、きな粉をごはんにかけたりするのもおすすめです。
また、タンパク質の吸収には、ビタミンCやビタミンB6、糖質を一緒に摂取することも大切です。オレンジやイチゴ、バナナなどの果物や、ブロッコリー、ジャガイモ、玄米などと一緒に食べることで、タンパク質を効果的に吸収できるでしょう。
タンパク質は子どもの成長に欠かせない栄養素です。
毎日の食事で、タンパク質が足りているかを意識し、こどもの身体と精神の成長をしっかりと栄養面で支えてあげましょう。