笑顔が愛くるしかったはずの乳児が、成長するにつれて無表情になってきたと感じることはないでしょうか。
「人は見た目が9割」とも言われ、見た目の印象は大きいものです。表情に乏しいとどんな気持ちでいるのか分かりづらく、周囲からのコミュニケーションも減少してしまいがちです。
表情に出さないということは、なんらかの原因によって、自分の感情を悟られたくないと感じているかもしれません。
そこで、子どもが無表情になる原因と対策について紹介します。
子どもが無表情になる原因とは?
愛情不足
子どもの感情の変化や要求に対する反応が不十分なことにより、子どもが無表情となることがあります。
子どもは本来、自分がとった行動への反応を、周囲の人の表情で確認します。自分が笑えば人が喜び、泣けば心配してくれることから、自分の表情で周りとのコミュニケーションをとっていくものです。
愛情をしっかりと注いでいるつもりでも、子どもに伝わっていなかったり、子どもが不十分だと感じていれば、愛情不足と同じことになります。
厳しすぎる躾
また、イヤイヤ期などにおける厳しい躾による心理的負担から、上手く自分の気持ちを出せなくなる場合もあります。親からの愛情を感じる場面よりも子どもの行動への厳しい規制が増えてしまうと、親との愛着形成が上手くできず、やがて親や周囲に対する期待や関心を失い、何でも自分で行うようになることがあります。
敏感な気質
もともと感受性が豊かで敏感な子は、親や周囲の人の表情の変化を敏感に察知し、たとえ叱っていなくても、ストレスや恐怖を感じてしまうこともあります。その結果、自分の感情を閉じ込めてしまい、無表情となり周囲との関わりを避けようとしてしまいます。安全基地が自分の心の中だけになってしまうのでしょう。
疲れやストレス
また、疲れの蓄積や体力の低下よって、無表情になってしまうこともあります。
習い事が多く、本人がそれを楽しめていない場合や、もともとストレスを感じやすく疲れやすい子どもは、無表情になりがちです。
子どもの笑顔を取り戻すために
子どもに率先して笑顔を見せる
人間は、人と気持ちを共有することで安心感を得るものです。子どものわずかな表情の変化を読み取り、それに同調して周囲が同じ表情をしてみましょう。
子どもが好きなアニメや映画など、笑うシーンの多いものを一緒に見て楽しむのも良いでしょう。スキンシップを取りながら、子どもが面白いと感じるシーンで、一緒に笑うことを繰り返すようにしましょう。
過干渉を控えて子どもを信じる
心配性な親ほど、子どもの失敗に対して口やかましくなったり、先回りして口出ししたりしてしまいがちですが、それは子どもにとって愛情としては映りません。おおらかな気持ちで見守ることで、子どもは失敗しても大丈夫だという事を知り、ありのままの自分を表現し、チャレンジする勇気を持つことができるようになるのです。
顔の緊張をほぐす
顔の緊張をほぐすことでも、表情を出す効果が期待できます。他の対策と合わせて、ママまたはパパと一緒に楽しみながら行いましょう。
子どもの両頬に笑顔で手をあて、筋肉をほぐしつつ頬の筋肉を持ち上げて、「アッハッハッハ、笑い顔!」と親が笑って見せます。「プンプンプン、怒り顔」や「エーンエーン、泣き顔」とやってみましょう。顔の筋肉がうごくようになると、自然に笑顔が出やすくなります。
早口言葉や抑揚をつけた音読も効果的。親が感情豊かに見本を見せながら、やってみましょう。
顔の表情の豊かさは、将来社会へ出ていく際のスムーズな対人関係にも大きな影響を及ぼします。
子どもの無表情が気になったら、それは子どもSOSのサインかもしれません。まずは原因をしっかりと把握するためにも、子どもの表情や様子をじっくりと観察してみましょう。