「やっと治ったと思ったらまた風邪を引いた」、「冬の間ずっと鼻水が出ている」など、子どもがよく風邪を引くことに頭を抱える親御さんも多いようです。
子どもは免疫がつくまで風邪を引きやすいとは言いますが、他の子に比べて自分の子が風邪をよく引くと、どうしてなのかと気になりますし、風邪症状に苦しむ我が子を見るのは辛いものです。
そこで、子どもが風邪を引きやすい原因と、風邪を重症化させないためにできることについて、今回はご紹介いたします。
なぜ子どもは風邪を引きやすい?
世の中には100以上もの風邪ウイルスが存在しており、冬のインフルエンザや夏のヘルパンギーナなど季節性のウイルスは強い感染力を持ち、あっという間に拡大してしまいます。また、幼稚園や保育園へ行き始めるなど、集団生活をはじめた時期は、風邪や病気をもらって休みがちになるのはよくあることです。
生まれて6ヶ月ごろまでの赤ちゃんは、ママから受け継いだ免疫力が残っていますが、成長と共に低下してしまいます。その後、1歳を過ぎると自ら免疫力を高める働きが出ますが、まだまだ免疫システムが構築できるまでは風邪をひきやすい状態です。ウイルスに触れるたびに症状として現れるため、大人が風邪に罹患するのが年に1~2回に対し、乳幼児は15回、幼小児は5~8回だと言われています。
また、ウイルスの種類が多いので、症状が治まる前に別のウイルスをもらうと、風邪が長引くこともあります。
風邪への免疫力は、風邪をひくことで抗体ができていきます。咳や鼻水・発熱などの風邪症状は、病原体を戦うことで免疫を高めている証拠ともいえます。
それを何度も繰り返し、一般的には小学生になる頃には風邪にかかる頻度が大幅に減少します。
子どもの風邪症状はここに注意!
風邪を引くことで抗体ができるといっても、子どもは体が小さいため、油断をしていると悪化してしまうこともあります。
咳症状で胸の音がゼーゼーしたり、苦しそうな呼吸をしている場合は、喘息や気管支炎を起こしていたり、アレルギーによる症状の可能性もあります。また高熱が続く場合は、必ずかかりつけの小児科に診てもらいましょう。
風邪を引いて強くなる部分はありますが、適切な処置をしなければ重症化してしまうこともあるので、しっかりと観察し、適切な対応をしてあげることが大切です。
子どもが重症化しないためにできること
子どもが風邪を引くのは仕方ないとしても、すぐに体調が回復し重症化につながらないための対策はできます。免疫力アップにも繋がりますので、チェックしておきましょう。
1.栄養バランスのとれた食事
バランスの良い食事は、ウイルスに負けない強い身体づくりに繋がります。毎日3食、栄養バランスを意識した食生活の習慣をつけるようにします。
免疫細胞の7割が腸で活動しており、腸内の細菌の種類が多いほど、様々な病原体に対応できるようになります。人の一生の腸内細菌は乳幼児期に決まるため、幼いうちに腸内の細菌を増やすことが大切です。ヨーグルトなどの発酵食品や食物繊維、オリゴ糖などを含むさまざまな種類の食材をバランスよく食べるようにしましょう。
2.外遊びなどで汗腺を鍛える。
免疫細胞は低体温では働きません。
体温が1度上がると免疫力は5~6倍高くなるとも言われ、体温を高く保つことは強い身体づくりに欠かせません。体温調節には幼少期に汗腺を発達させることが重要。現代の子どもたちは冷暖房の室内で過ごすことが多くなっていますが、快適な環境では汗腺を鍛えることはできません。
汗腺を鍛えるのに良い方法として挙げられるのは、外遊びをさせることです。幼少期にはできるだけ外遊びで汗をかかせるようにしましょう。
3.生活習慣の見直し
その他、帰宅時の手洗いとうがい、睡眠時間の確保、厚着をさせすぎないなど、普段の生活習慣もチェックしてみましょう。冬場の乾燥は喉にウイルスを付着させやすいので、部屋の湿度が下がりすぎないような工夫も大切です。
子どもはもともと風邪を引きやすいものの、重症化させないように普段からできる工夫もあります。
幼少期に腸内環境や汗腺を鍛えることで獲得した免疫は、大人になっても病気に負けない強い身体を作ってくれるため、生涯の宝物になるでしょう。