アジアの国々における子どもの英語学習状況 日本との違いは?
日本での英語教育は、小学校高学年の学習内容を低学年へと繰り上げるなど、段階的に早期化に取り組んでいますが、まだまだアジア諸国の中においても英語への取り組みが遅れているようです。
日本以外のアジアの国々では、英語学習においてどのような取り組みがされているのでしょうか。
今回は、中国、韓国、シンガポール、フィリピンの4ヵ国に注目してみていきたいと思います。
アジアの国々の英語学習状況
中国における英語学習
中国では、2001年の北京オリンピックやWHO加盟を機に、国の施策として小学校3年生からの英語教育が始まりました。英語の授業は、小学3年で20分授業を週4回からはじめ、中学生以上は45分授業を週4回までになります。単語の暗記量は小学校卒業時までに1600語となっており、中学校卒業時までに1200語である日本と比較して多いのがわかります。
一部で、受験のための英語学習だと批判される面もありますが、英語のカリキュラムには、小学生のうちから生徒同士での英語を使ったディスカッションや発表が取り入れられています。
ネイティブの指導者を呼んだ英語教育の質の向上や、オンライン英語の市場も拡大しており、今後ますます高い英語力を持った子どもたちが増えていくことが予想されます。
また、上海や香港など一部の地域では、さらに英語学習に力が注がれており進んだカリキュラムで英語学習が行われています。
韓国における英語学習
韓国は、アジア諸国の中において大きく英語力を伸ばしている国の一つです。
韓国では、1997年の通貨危機を転機に英語教育に力を入れるようになりました。企業のグローバル化推進に伴い英語力を有する人材の必要性が高まり、国を挙げての英語教育改革へと繋がりました。
小学一年生から開始される英語教育は、小学校3年生では週2回。これを少ないと考え、多くの小学生は毎日授業後に、学校前に並ぶバスにのって英語塾へ通います。
韓国では、英語学習には学習量が重要だと考えるため、学校での勉強が忙しくなる前の低学年までに、英語を身に着けさせようとします。幼児向けの英語教室が多いのも特徴です。
英語教室では、フォニックス学習を基本とし、ネイティブの講師がいる塾を中心に、質の高さと楽しさが共存しており、受験英語ではなく会話力やライティングなど実践を重視したカリキュラム構成となっています。
シンガポールにおける英語学習
シンガポールは、アジアの中でも最も英語教育が進んでいる国です。
小学1年生より英語を学び始め、英語の授業だけでなく、他の授業においても英語で行なっており、母語に次ぐ共通語として実用可能なレベルを定着させることを目的とした学習となっています。
英語を使って学ぶことから、小学校の低学年から英語に触れる機会が圧倒的に多く、必要性を感じながら自然と英語力が培われていきます。
フィリピンにおける英語学習
シンガポールと並んで英語力の高い国として知られるフィリピンでも、小学1年生より英語の学習が始まります。学校によって差があるものの、一般的には60分授業を週5日程度、英語学習にあてられています。
3年生からは、シンガポールと同様ほかの授業においても英語で行なわれるようになります。
中国、韓国、シンガポール、フィリピンの英語学習状況について紹介いたしました。
日本の子どもたちが英語に触れる時間は、小学校6年間で200時間強とされています。これは、フィリピンと比較すると10分の1にあたります。
英語の習得には、英語に触れる時間や機会が多いほど効果があり、また会話力やライティングを含めた実践に繋がる学習が必要です。小学校での英語学習が少ない日本においては、幼児期にインターナショナルスクールへ通うことで、英語に触れる時間や質を補完させることができます。
幼児期から楽しみながら英語に触れることで、勉強ではなく遊びを通して自然と英語習得へ繋がりますので、英語先進国と並ぶ英語力をつけることができるでしょう。