3D映画は何才から見せる? 3D映像が子どもの目へ与える影響
最近では、子どもに人気のアニメも映画館で3D上映されているなど、幼児や子どもにとっても3D映像は身近なものになっています。
そんななか、幼い子どもを持つ親御さんのなかには、3D映像が子どもの目に与える影響が気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、3D映像の仕組みと子どもの目に与える影響について解説いたします。
合わせて、何歳から3D映画を見せるべきなのかについてもご紹介しますので、参考にしてみて下さい。
3D映像の仕組みと目に与える影響
3D映像とは、立体的に見える3次元映像(立体映像)のことです。
右目に見える映像と左目に見える映像とに、人工的にわずかなズレを起こすことによって、映像がスクリーンよりも手前に出たり奥に引っ込んだりしているように見せて立体感や遠近感を出しています。
目のピントはスクリーンに合っているのに、左目と右目とに見えるそれぞれ別の像を一つの像として結びつけるため、長時間見続けることで、目が疲れたり気分が悪くなったりといったことが起こる場合があります。
これらは年齢問わずに起こり得るリスクで、アメリカの調査によると、20~30代の成人の約30%が頭痛や眼精疲労を訴えるという結果もあります。
また、もともと左目の像と右目の像を一つの像として結びつける能力(両眼視機能)
が弱い人が3D映像を見ることで、斜視や複視になる可能性があるといいます。
3D映画は何才から見せる?
3D映像を見ることによるリスクのなかでも気になるのは、斜視や複視です。
というのも、一般的にこの両眼視機能が備わるのは、6歳前後だといわれており、それより幼い子どもには、そもそも両眼視機能が十分に発達していないからです。
つまり、両眼視機能が発達していない6歳未満の幼児が3D映像を見ることで、斜視や
複視になるリスクが高まるということで、弱視斜視学会の専門医師のなかには、6歳以下は3D映像の視聴は控えた方がよいという声を上げている人もいます。
いっぽうで、目の機能が正常な子どもなら3D映像を見ても問題はなく、あくまでも3D映像を見ることで斜視や複視を引き起こすケースは、もともとそれらの素因がある子どもに限られるという見解もあります。
また、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)からは、「3D映像は6歳未満の子どもは避け、13歳までは『控えめ』にするべき」という勧告を発表し、成長過程の子どもの目は、立体視のための機能が未発達であるため、様々な目の障害が起こり得るとしています。
日本では、何歳から3D映像を見せるかは、親が判断するべきと結論づけており、教育機関などに積極的指導を促してはいない状況です。
3D映画が子どもの目に与える影響について紹介しました。
3D映像を使った映画は迫力があり子どもにも人気ですが、幼児期の視聴は避け、小学生の低学年においても積極的に見せるのは避けた方が良さそうです。
斜視の素因があるかどうかについては、眼科医で調べることができるため、3D映画を見せる前に事前に検査を行うことで、3D映像を楽しめるかどうか、そしてリスクの把握にも繋がるでしょう。