幼児の体力を伸ばしたい! 身体を動かせる遊び場を確保するヒント
近年、子どもの体力低下が危惧されています。
親世代と比べて、子どもの身長や体重などの体格が上回っているのに対し、子どもの体力は低下傾向にあるといいます。
そこで今回は、子どもの体力低下の状況と、体力低下の要因となっていること、そして幼児が身体を動かせる遊び場を確保するヒントについて、紹介していきたいと思います。
幼児や子どもの体力の低下状況
幼児期の運動能力は30年前よりも半年ほどの発達の遅れが見られるといいます。
文部科学省の調査によると、現在の子どもの体力・運動能力は、その親の世代にあたる30年前に比べて、体力テストの大概の項目で下まわり、ソフトボール投げにおいては以前と比較して18%程度もの低下が見られています。
文部科学省の見解では、1985年を境に子どもの運動能力と体力が低下傾向となり、体力が必要となる小学校での「20mシャトルラン」や、中学校での「1,500持久走」では、令和に入ってから顕著に記録が低下しています。
幼児や子どもの体力低下の原因は?
1.遊ぶ場の減少
都市化にともない、近所の空き地や広場が無くなり、子どもの遊び場が減少しました。
学校の校庭が開放される機会も減り、また、住宅の高層化によって家の中でも身体を動かすことが難しくなっています。
2.安全性の追及
危険性のある公園遊具はどんどんと撤収され、サッカーや野球などの球技は多くの公園で禁止されています。
3生活の利便性の向上
車や電車での移動が増え歩く機会が減り、買い物に行ってもカートに子どもを乗せての移動が増えました。
4.兄弟や近所づきあいの減少
一人っ子よりも兄弟の多い子のほうが、運動能力が高い傾向があります。
また、近所づきあいが減り、地域の年上の子どもや大人による見守りも減り、子どもだけで遊ばせるのが難しくなりました。
5.コロナや熱中症による影響
コロナ禍における外出自粛や、熱中症の予防の観点からも、家の中で過ごすことが多くなりました。これらも体力低下に大きな影響を与えているでしょう。
体力低下を防ぐためにできること
外遊びが難しくなってきているなか、体力低下を防ぐためには家の中でも、できるだけ身体を動かせるようにしたいものです。
集合住宅では、階下への音の影響がないようにマットやクッションを利用し、身体を思い切り動かすことを意識して遊びましょう。大人の身体をよじ登る、逆立ち、相撲、布製ボールを使った遊び、家庭用のジャングルジムや鉄棒などもおすすめです。
また、機械化が進む家事についても、お掃除ロボットをお休みして雑巾がけをするなど、敢えて身体を使う方法で子どもと一緒に家事をする機会を設けるのもよいでしょう。
子どもとの買い物でも、天候がよければ車や電動自転車を使うのではなく、子どもと散歩しながら買い物に行くように心がけましょう。
子どもの頃からの運動の習慣は、心身の発達や健康のために非常に重要です。
また、遊びを通して多くの友だちと関わることで、協調性や社会性、コミュニケーション能力の向上など、さまざまな大きなメリットがあります。
近くにお友達と身体を動かして遊べる場がない、という場合は子どもが遊べる場として、アクティビティーなどで身体を動かすことを取り入れている幼児教室へ通わせるのもおすすめです。お友達と関わりながら、身体と脳をバランスよく鍛えられるでしょう。