知能指数を指し示す「IQ」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思います。この数値が高ければ高いほど「頭が良い」と考えられる傾向がありますが、ここ最近「心の知能指数」である「EQ」というものが注目されつつあります。
今回はEQとはどういった指標になるのかを説明した上で、EQが求められるようになった経緯、EQの育て方をご紹介します。
EQは「Emotional Intelligence Quotient」という言葉の略称で、1989年にアメリカのピーターサロベイ氏とジョンメイヤー氏らが共同で作成した論文で発表された理論です。
論文では、「人の言動や振る舞いは、その時々の感情・心理状態で決定される」とあります。EQとは「感情をコントロールし、上手に利用する能力」のこと。また論文内では、意識や訓練で、EQの数値を高められるとあります。
今まではIQのように一般的に物事を処理する力、分析する力に長けていることがそのまま評価・業績につながる傾向がありました。
しかし最近の調査では「高いIQ指数」を持っているだけではそのまま物事の成果につながらないことがわかってきました。労働生産性を高めるためには、自分自身の感情や周囲の感情を活かす必要があるとされ、EQが求められるようになります。
自分自身の「現在の心理状態」を正しく認識し、感情を乱さないように意識すれば、さまざまな局面で正しい行動をとることが可能です。EQが高いことで「相手側の現在の心理状況」を把握することもできるようになるため、相手を配慮できる行動を取れるとも言い換えることができます。つまりコミュニケーションが円滑に取れるようになるため、自分や周囲のスキルを最大限に発揮することができ、仕事でも人間関係でも良好な関係を保ち続けることができるのです。
いわゆる「コミュ力」に大きく関係した能力ですので、公私ともに必要性の高い能力だと言えるでしょう。
EQは「心内知性」「対人関係知性」「状況判断知性」の3つの知性から判断されて数値化されます。
心内知性は「自分で自分自身の心理状態が分かる力」
対人関係知性は「他者に効率的に働きかけることができる力」
状況判断知性は「自分と他者、双方の状態を同時に認知できる力」
これらの力はもともと備わっているものもありますが、教育方法を見直すことによっては「育てる」こともできます。特にお子様の場合は学生生活や社会に出た時に、この数値が高ければ高いほどメリットが大きいため、親御さんはEQを高める方法を覚えておいて損はないでしょう。EQの高め方や育て方については次回の記事『心の知能指数「EQ」の育て方』にて取り上げますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。